この記事では、たった20分でうつや不安が改善する『筆記開示』についてのそのやり方と効果について詳しく説明しています。
このような悩みにお答えします。
最近なにかと話題になっている『筆記開示』。別名エクスプレッシブライティング(Expressive Writing)と呼ばれ、ストレス対策や不安、うつ病対策としても大きな成果を上げている認知行動療法の1つです。
今回はそんな筆記開示について、そのやり方と効果、実践的な方法まで詳しく解説していきます。
毎晩、不安や心配事で眠れない!作業に集中できない!という方はぜひ参考にして、人生をより豊かなものにしていきましょう!
もくじ
1. 筆記開示(エクスプレシッブライティング)とは?
筆記開示とは、自分が体験したネガティブな感情や経験について、その時に抱いた感情や思考を包み隠さず書き記すことです。
日記やTwitter、LINEなどで日ごろの愚痴を書いて発散している人がすでにいるのではないでしょうか?それも立派な筆記開示法になります。
エクスプレシッブライティングの生みの親であるジェームズ・ペネベーガー博士は自著で次のように述べています。
数々の研究により、『エクスプレシッブライティング』を行った被験者は幸福感が高まり、ネガティブな感情が減った。さらには『エクスプレシッブライティング』を始めてから数週間から数カ月でうつや不安が改善し、ストレスが穏やかになる傾向も見られた。その他の研究でも、全体的な幸福感の高まりや、認知機能の改善などが確認されている。
つまり、筆記開示はただストレスに強くなるだけでなく、幸せな気分で過ごせるうえに、頭までよくなってしまうんです。
2. なぜ、筆記開示はうつや不安に効果的なの?
ここまで『筆記開示』の効果が高いのには理由があります。
それは悩みやイライラを書き出すことで、いったん心配事を棚卸しすることができるからです。
2017年にミシガン大学の研究チームが論文を書いたデータによると
心配事は認知リソースを消費してしまう。要するに、ストレスが多い人というのは、いつもマルチタスクで作業しているようなものだ。このような人たちは、ひとつの作業をしながらも、もう一方では自分の心配事をモニタリングしつつ、さらにはその感情を抑えようとしている。しかし、『エクスプレシッブライティング』で悩みをいったん外に吐き出せば、認知のリソースは解放され、もっと脳を効率よく使えるようになる。
悩みやイライラを頭の中でずっと放置しておくと、ひとつの作業に集中できなくなります。論理的に考える脳のリソースが少なくなるというわけです。
そこで『筆記開示』をしてあげると、頭の中でうずまいてた不安やイライラが吐き出されて、ストレスによる脳機能の低下が抑えれ、心から重荷が降りたような感覚になるのです。
筆記開示の具体的な効果は?
1980年代から心理療法界隈では多くの研究がなされており、以下のような心身の改善がみられます。
- うつ状態や不安感の改善
- ワーキングメモリー(短期記憶能力)が上昇
- 幸福感が増え、ネガティブな感情が減る。
- 感情、セルフコントロール能力がつく
- 認知機能の改善
- ストレスが軽減される
『筆記開示』にはストレスや不安感の改善だけでなく、頭までよくなるということで最強の心理療法だとわたしは思っています。
3. 筆記開示のやり方と例・3つのコツ
筆記開示のやり方はいたって簡単。
- 紙とペンを用意する。
- 今、感じている不安やストレスについて紙に書きなぐる(丁寧に書かなくてもOK)
もうただ愚痴を紙に書き殴るだけでいいんです。これだけは最低限できるようにしましょう。
簡単だから本当に効果あるの?と疑問に思ったまま、結局エクスプレシッブライティングしない人がいますが、これだけでも十分に効果が立証されているので、とにかく実践することが大切です。
★筆記開示の例
- 母が病弱してきて、将来どうなるのかが不安でたまらない
- 子どもがきちんと大学を卒業してくれるのだろうか?
- PCの起動時間が遅すぎてイライラする!
- 上司から嫌味を言われて腹がたった!ふざけるな!
深刻な悩みから些細な悩みまで、なんでも思いついたことを書き殴りましょう。
筆記開示の3つのコツ
それについてはポイントが3つあります。
①まずは4日間だけ続けること
多くの研究によれば、最低でも筆記開示を4日間連続で続けなければ効果が薄れてしまうということが分かっています。
実践の時間は、仕事が終わった直後や寝る前がベストです。
②1日20分は書き続ける
エクスプレシッブライティングは必ず、1日に8~20分以上は書き続ける必要があります。
その時の誤字脱字は気にしなくて構いません。別に誰かに見せるわけではないので安心してください。
どんなに恥ずかしいことでも、自分の感情を素直に出すことが筆記開示の効果を高めてくれます。ひたすらノンストップで悩みを書きなぐりましょう。
③慣れたら悩みを展開する
筆記開示に慣れてきたら、悩みを展開していくことを考えましょう。
たとえば、「仕事で大きなミスをしてしまった」という悩みをノートに書いていた場合は
- このミスは家族や友人にどんな影響を与えるのだろうか?
- このミスは自分の過去と未来にどうつながるのか?
といった質問を投げかけて、悩みがあなたの人生にあたえる影響まで内容を広げていきます。
悩みを展開することで、「自分はどんなことに怒りやイライラをかんじているのか?」を客観的に見れるようになり、自分の感情を冷静に分析できるようになります。
上の質問の答えは、たとえばこんなものかも。
- 家族や友人にどんな影響?⇒仕事をやめることになったら家族に迷惑をかける。仕事の仲間からの評価が下がってしまう。
- 自分の過去と未来にどうつながる?⇒過去には直接つながらないが、今後ミスを減らすために努力をして未来を変えることができる。
あなたの悩みの根源と今後の展望がはっきりと理解できるようになって、不安やうつが解消されていく感覚になります。
4. 筆記開示(エクスプレシッブライティング)をやってみた感想
わたしは現在、筆記開示を約半年間続けています。
寝る前に8分~20分、筆記開示専用のノートを購入してからひたすらに書きなぐっています。(ノート一面が文字だらけで呪いのノートみたいになってしまっています。恥ずかしいので写真は控えさせてください。)
感想としては
- 日ごろから余計な不安・悩み事を考えなくなった
- 心の重荷が降りたようで、イライラが減った
- やりたいことだけに目を向けられるようになった
- 「書く」だけでもストレス解消できるということを実感した
書くだけでもイライラが消えていくんですよね。書くことだけに集中できて、余計な不安や心配事はが消えていくような感覚です。
あと、筆記開示の時間を一日に設けるだけで、その筆記開示の時間だけ不安や悩みと向き合えるっていう余裕が生まれました。
筆記開示で不安・うつ・ストレスなんでも解消できちゃいます。この記事で書いたエクスプレシッブライティングのやり方と3つのポイントを意識して、あなたも今夜から実践してみましょう!
5. 筆記開示に関しての参考書籍
今回、筆記開示のやり方やデータを参考にした書籍を紹介しておきます。気になる方はチェック!
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