このような悩みにお答えします。
本記事では、人工知能(AI)の歴史をたった7分で簡単に理解できるような構成にしています。
- 人工知能に興味がある
- これから人工知能について学習したい
- 人工知能の歴史を知りたい
もくじ
1. 人工知能(AI)の歴史
人工知能という分野は常に世界から注目を浴びていたわけではなく、3度にわたって盛り上がりと盛り下がりを繰り返してきました。
<3度にわたる人工知能(AI)ブーム>
- 第1次AIブーム(1950~1960年代)
- 第2次AIブーム(1980~1990年代)
- 第3次AIブーム(2010~現在)
グラフで表すとこんな感じ
山が3つあるのが分かりますね。
現在は第3次AIブームの真っ只中ということもグラフから分かります。テレビや雑誌で「人工知能だ!AIの時代がくる!」なんて報道しているのはこの時期に私たちがいるからですね。
では次に、AIブームの山を1つずつ簡単に解説していきます。
第1次人工知能(AI)ブーム(1950~1960年代)
第1次AIブームを一言であらわすと「推論」と「探索」を研究する時代でした。
分かりにくいので具体例を2つ紹介しますね。
迷路を解く
推論と探索を理解するには迷路をイメージすると分かりやすいです。
簡単に言うと場合分けです。
「あ、この道は行き止まりだった。」「あ、この道は行き止まりがないな。」という風に1つずつ場合分けをしてゴールを見つけることが推論と探索なんですね。(この場合はス⇒f⇒h⇒ゴ)
ちなみに画像の右のような枝分かれしている図は探索木と呼ばれています。
ハノイの塔
迷路だけではなく、パズルを解くことも古くから人工知能の分野では研究されています。代表的な例はハノイの塔。
ルールを簡単に説明すると
- 円盤をすべて、左から右に移す
- 1回に移動できるのは1枚だけ
- 小さい円盤の上に大きい円盤を載せてはいけない
この記事ではハノイの塔を解く詳しい解説は割愛しますが、これも探索木で解けることが分かっています。
迷路やハノイの塔のように場合分けで問題を解決することができる分野は、当時から人間ではなくコンピューターに計算してもらおうという研究者たちの意図があったことがうかがえます。
さらに探索木の研究が進み、1997年、IBMのスーパーコンピューターがチェスの世界チャンピオン(ゲイリー・カスパロス)に打ち勝つという快挙を成し遂げたのです。
第1次AIブームから研究されてきた人工知能がついに人間の能力を超えた!ということで世間でも話題になりました。
現代の問題は解くことができない
チェスや将棋はルールが決まっており、そのルールの中で膨大なデータをコンピューターに与えれば簡単に解くことができます。
しかし、現実に目を向けてみるとルールなど存在しない問題ばかりです。ルールが存在しない問題に対して人工知能は無力なのです。
たとえば
- ある人が病気になったときに、どんな治療法があるの?
- ある会社が成長するためには、どんな製品を開発すればいいの?
- 子どもの成績を上げるためには、どういう教育をすればいいの?
といったように、わたしたちが普通に直面する問題に対しては、当時の人工知能では全く役に立たちませんでした。これは第1次AIブームのトイ・プロブレムと呼ばれています。
人間の知能の奥深さが身に染みて痛感したのが、第1次AIブームでした。
第2次人工知能(AI)ブーム(1980~1990年代)
トイ・プロブレムで下火になっていた人工知能研究が、1980年代になると再び勢いを取り戻してきました。これが第2次人工知能(AI)ブームです。
人工知能第2次AIブームを一言であらわすとコンピューターに「知識」を詰めこむ時代でした。コンピューターに専門的な知識を膨大に覚えさせることで、専門家に代わって問題を解決しようと思ったわけです。
たとえば
- お医者⇒病気・薬に関するたくさんの知識
- 弁護士⇒法律に関するたくさんの知識
- 銀行員⇒金融に関するたくさんの知識
これで迷路を解くおもちゃの問題だけではなく、現実的な問題まで人工知能の手が届きはじめるようになったんですね。
また知識を詰めこんだだけではなく、人とコンピューターが会話ができるように試みた研究者も中にはいました。
人と会話する人工知能
たとえばこんな会話。
会話が完璧に成立しているとは言い難いですが、ある程度会話っぽいものができるようになっていますね。
これは人間が「XXX」と入力すればコンピューターが「なぜXXXなんですが?」とか「ほかに誰がXXXなの?」を返すという単純なルールを与えられているからです。
こういったルールをランダムに出力することで、人間はあたかもコンピューターと会話していると錯覚し、それに知能があると思うわけです。
知識を詰め込んだ人工知能の会話
アルゴリズムにプラスして知識を詰め込んだコンピューターは、さらに高度な会話を実現することが可能になりました。
培地はどこ?
血液
細菌の分類の結果は?
ネガティブ
細菌の形は?
棒状
患者の痛みはひどい?ひどくない?
ひどい
⇒細菌は緑膿菌と判明。
アルゴリズム+専門家の知識によって、より知能の高い人工知能の実現に成功しました。ルールと膨大なデータさえあればAIの右に出るものはいないとまで言われるほどだったのです。
知識を記述するには限界がある
これまで見てきたように、知識を人工知能に覚えさせればある程度のレベルまで現実問題を解決することできるようになりました。
しかし、知識というのは限りなく無限に存在し、それをコンピューターに記述させるには膨大な時間とコストがかかります。
第2次AIブームはこの現実の知識の膨大さを記述する問題で足を踏みとどませてしまうことになります。知識を与えなければ動かない、やっぱり人工知能なんて人類の夢で終わるんだ・・・。そんな悲観を感じながら第2次AIブームの幕を閉じることになりました。
第3次人工知能(AI)ブーム(2010~現在)
第2次AIブームでは知識の膨大さの壁にぶち当たって足を止めていましたが、とある研究者たちの水面下では機械学習(Machine Learning)という技術の研究が進められていました。
時代が進むにつれてたくさんのデータも集まってきたので、またもやAIの波が世界を飲み込むことになります。これが第3次AIブームとなります。
機械学習(Machine Learning)
機械学習とは、人工知能のブログラム自身が学習する仕組みのことを言います。
従来の人工知能は知識がなければ動きませんでしたが、機械学習をした人工知能は自分が学習するので未知の問題に対しても判断が下せるようになりました。
そうですね。学習するというのは突き詰めると「これは良くて、これはダメ」と細かく分けることができる状態のことと言い換えることができます。これをイエス・ノー学習と言います。
人工知能の学習=イエス・ノー問題の正解率を上げていくこと
たとえば、「ネコを見分ける学習」をした人工知能にとって、未だ見たことのないネコの画像を「これはネコです」と判断できるようになれば、それは人工知能が学習したということになります。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークも機械学習の1つで、簡単に言うと人間の脳の機能のマネをすることで学習する技術です。
人間の脳は数多くのニューロン(神経細胞)のネットワークで構成されていて、それらをつなぐシナプスから電気信号を受け取ることによって指令を出しています。
無数に存在するシナプスからの電気刺激の足し合わせによって、さまざまな出力を実現することができるんですね。
そうですね、まぁ第3次AIブームは大まかに機械学習が発達したと認識すれば十分でしょう。
ディープラーニング
第3次AIブームは機械学習が発達したことで話題になっていますがディープラーニング技術も無視できない分野です。
これまでは知識を機械に入れ込むことで、知能のがあるとしてふるまいを見せていた人工知能ですがルールやアルゴリズムや知識を入れる判断をするのは人間でした
人間なしでは動かないコンピューターに知能があるとは言い難いですよね。ここで、ディープラーニングという分野が登場しました。
ディープラーニングとは簡単に言うと「コンピューター自身が特徴量を見つけ出して画像を分類できるようになる」ということです。
たとえば「ネコ」で考えてみましょう。
<例:ネコの特徴量>
- 目が2つある
- 口がある
- 耳がある
- しっぽがある
- 髭がある
これらの特徴量だけでは画像を見ても「ネコ」だと判断することはできません。しかしコンピュータはネコの画像を1000枚くらいから大量の特徴量を見つけ出してネコの情報を集めるんです。
このように、大量の画像から特徴量を見つけ出して未知の画像に応用する技術をディープラーニングと呼びます。
このディープラーニングが今盛んに研究されている分野です。第3次AIブームの最先端と言ってもいいでしょう。
2. 人工知能の歴史を踏まえて、将来AIはどうなる?
とどまることを知らないAIの発達の先に、いったい私たちに何が待ち受けているのでしょうか?予想されるであろう問題をいくつか紹介します。
シンギュラリティ問題
これは別名「技術的特異点問題」とも呼ばれており、人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる時点のことを言います。このシンギュラリティ問題は2045年あたりに起こるかもしれないと世間を騒がせているようです。
確かに怖いですね。このシンギュラリティ問題に関しては研究者によって意見が分かれていますが、私の意見としては人工知能が人間を支配、征服することは起こりえないと考えています。
理由はざっくり言うと、人工知能は知能は持つけど生存本能がないからです。自分を保持したい欲求がないので人類を支配しようという行動にはならないと考えている研究者もいます。
シンギュラリティ(技術的特異点)についてもっと詳しく知りたい方は☟の記事をぜひご覧ください。
シンギュラリティ(技術的特異点)とは?いつ起こる?AIが人類の知能を超える日は近い?【仕事や雇用の変化まで】人工知能があなたの職を奪うかも?
これはオックスフォード大学の論文に基づいたデータで、「手先の器用さ」「芸術的な能力」「交渉力」「説得力」など9つの項目を踏まえて、この先10~20年で人工知能に仕事を奪われるかもしれないものを研究したようです。
たとえば
- 電話販売員(テレマーケター)
- 手縫いの仕立て屋
- 保険業者
- 時計修理工
- スポーツ審査員
これは一部に過ぎませんが、手続き化しやすい仕事に関しては人工知能に代替されると予想されています。
もしかしたら近い将来、あなたの仕事がなくなる可能性があるかもしれません。そのときに備えて別のスキル(プログラミングなど)を磨いておくと安心ですね。
人工知能(AI)でなくなる仕事、なくならない仕事についてもっと詳しく知りたい方はぜひ☟の記事をご覧ください。
人工知能(AI)でなくなる仕事となくならない仕事を徹底分析【未来に向けてあなたが今できること】3. 人工知能(AI)の歴史:まとめ
人工知能(AI)の歴史をまとめるとこんな感じ
これからAIの時代と騒がれていますが、今まさにいろんな仕事がAIに代替されはじめてきました。
人工知能なしでは生きていけない時代も近づいてきたのではないのか?と筆者は感じています。
私としては、人間と人工知能が共存してより豊かな生活になっていくことを望んでいます。これから注目すべき人類の課題です。
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