このような悩みにお答えします。
✓目次<本記事の内容>
- 睡眠不足が認知症のリスクを高める理由
- 睡眠不足によって、脳の記憶の定着メカニズムがうまく機能しない仕組み
- 睡眠不足は糖尿病のリスクも高める
- 睡眠不足の人はメタボにもなりやすい
- なにより質の良い睡眠が大事
- 睡眠薬を飲み続けると、認知症になるリスクが3.5倍に膨れ上がる
- 歩くことで認知症を予防しよう
睡眠不足が認知症のリスクを高める理由
「睡眠不足は認知症になるリスクを高めます。」
理由は、睡眠不足による
- 脳の記憶の定着メカニズムがうまく機能しなくなる
- 糖尿病になりやすくなることで、認知症になるリスクも高める
- メタボにもなりやすく、血中に酸素がうまく循環しないことで認知症になるリスクを高める
以下では、上で挙げた3つの理由を詳しく説明しています。
(この3つの理由は、少し専門的な用語が出てきます。できるだけ簡単に説明しますが、難しいと思ったならば無理に読まずに飛ばしてもらっても構いません。)
そして最後には認知症の予防方法まで説明しているので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
睡眠不足によって、脳の記憶のメカニズムがうまく機能しない仕組み
人が記憶の定着をする脳のメカニズムは、簡単に説明すると「海馬から大脳皮質へ記憶を転送し、大脳皮質でその記憶を固定する」ことによって記憶が定着します。
海馬と大脳皮質の関係は、いわば「パソコンのメモリーと外付け大容量ハードディスク」のようなものです。
海馬には少しのデータ(記憶)だけしか保持できず、大量のデータを保持できる大脳皮質にそのデータを転送し、そこで固定しなければならないのです。
そのデータ(記憶)の転送と固定が行われるのが「眠っているとき」なのです。
つまり、睡眠の質が悪かったり睡眠時間が少ないと、その記憶の転送と固定するメカニズムがうまく機能できなくなります。
「記憶の転送と固定が十分にできなければ、記憶力が低下し認知症になるリスクが高まる」というわけなんですね。
睡眠不足は糖尿病のリスクも高まる
実は、「睡眠不足は糖尿病になるリスクも高めてしまう」んです。
その理由を説明します。
睡眠の質が悪かったり、睡眠不足になると「インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンをうまく分泌することができなくなります。」
血糖値を下げれなくなると、血糖値が上がっていき「糖尿病」になるわけです。
さらに、この糖尿病で厄介なのが「認知症の主な原因である、アミロイドβというたんぱく質(ゴミ)をうまく分解できなくなる」ことです。
このアミロイドβをうまく分解できなくなると、認知症のリスクが高まってしまいます。
睡眠不足になると、糖尿病と認知症、セットでリスクが上がってしまうわけです。恐ろしいですね。
睡眠不足の人はメタボにもなりやすい
さらになんと、「睡眠不足の人はメタボにもなりやすいこと」が分かっています。
理由は、睡眠不足になるとインスリン分泌の低下だけてなく「食欲を増進するグレリンと呼ばれるホルモンが増え、食欲を抑制するレプチンと呼ばれるホルモンが減ってしまう」ということが研究で分かっています。
つまり、食欲のコントロールが効かなくなり、結果として日中に食べ過ぎてしまうんですね。この理由から睡眠不足はメタボになりやすいというわけです。
さらにさらに、メタボになると認知症にもなりやすいのです。
理由は「メタボ体型の人は、気道が狭くなることで大きないびきをかくようになったり、寝ている間に血中酸素がうまく循環しなくなる」からです。
血液にうまく酸素が行き渡らなければ、認知症になるリスクが上がるのです。
なにより質の良い睡眠が大事
これからは「認知症予防」のお話をしていきます。
認知症予防に効果的な1つの方法は「質の良い睡眠をとること」なんです。
認知症、糖尿病、メタボ。これらの原因はすべて「睡眠不足、質の悪い睡眠をしてきたから」なんです。
睡眠不足は寝る時間を確保できれば解決しますね。では、質の悪い睡眠はどうすれば解決するでしょうか。
質の良い睡眠をとる方法はさまざまありますが、ここでは「朝起きてから、太陽の光を浴びる」方法をご紹介します。
朝起きてからすぐ太陽の光を浴びることで、夜寝る時に質の良い睡眠がとれるようになります。
理由は、太陽の光を浴びることで「身体の体内時計をリセットできる」からです。
太陽の光に含まれる紫外線を浴びることによって体内時計リセットし、「やる気ホルモン」と呼ばれるセロトニンが身体の中で作られます。
このセロトニンというやる気ホルモンは、夜になるとメラトニンという眠気を誘うホルモンに変化し、夜になるとちょうど眠たくなるのです。
この「眠たくなる」ことが質の良い睡眠がとれるサインなのです。
(筆者は朝太陽の光を浴びるために、毎朝起きてから外へ出て20分間散歩をしています。セロトニンは集中力アップ、ワーキングメモリーの向上にも効果があるそうですよ)
まずは認知症予防の第一歩として、起床時間を決めて「朝太陽の光を浴びる」ことから始めてみましょう。
(睡眠の質を上げる方法を↓の記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてくださいね。)
睡眠薬を飲み続けると、認知症になるリスクが3.5倍に膨れ上がる
「睡眠薬で3.5倍も認知症になるリスクが膨れ上がるの?!それって本当なの?!」
調べながら筆者も驚きました。理由を説明しますね。
日本で昔から使用されている睡眠薬には「ベンゾジアゼピン」という物質が含まれており、これは依存性があるということが分かっています。
この依存性のあるベンゾジアゼピンを長期間服用し続けると「認知症になるリスクが3.5倍に膨れ上がる」とイギリスの研究で分かったそうです。
また同タイプの薬は「筋肉をゆるませる」ため、特に高齢者の方は転倒して骨折などの可能性も十分にありえます。
このようなことから睡眠薬に頼りすぎると、長期的にみると逆効果になるかも・・・。このことを頭に入れておくと良いでしょう。
また、寝る直前の飲酒も避けた方が良いでしょう。
寝つきはよくなりますが、逆に起きやすくなります。(睡眠薬と飲酒の併用を習慣化してる場合は今すぐにやめた方が将来的に良いでしょう)
(↓の記事に寝る前の飲酒について詳しく説明していますので、参考にしたいはご覧ください。)
歩くことで認知症を予防しよう
睡眠の質がなかなか向上しないという方は「歩くことで認知症を予防」してみましょう。
ではなぜ、歩くことで認知症を予防できるのでしょうか?
理由は簡単です。
認知症が近づいてくると「脳の血流が減ってくる」ことが分かっています。
そこで、歩くことで血流が脳までしっかりと行きわたり、認知症の予防になるわけです。
歩く頻度としては1日10分間。朝、昼、夜の3回、歩数で言えば4000~8000歩がちょうど良いでしょう。
血圧が上がるようなジョギングはしなくて大丈夫です。ゆっくりとしたウォーキングでも十分に効果があります。
また、ウォーキングすることによって「骨に衝撃を与えることも重要」です。
近年の研究で分かったことですが、骨というのは体を支えるだけの役割ではなく「オステカルシンやオステオポンチンという記憶力や免疫力を上げる物質を放出している」ことが分かったのです。
ウォーキングによって骨に衝撃を与え、骨から出る物質で認知症予防にもなるというわけです。これは驚きですね。
上では紹介できなかった、他にも睡眠の質を上げる方法を随時、記事に書きますのでお楽しみください。
今回はこれで以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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