こういった悩みにお答えします。
✓目次<本記事の内容>
- 日本の学校の始業時間は早すぎる
- アメリカの学校は始業時間を遅らせたら、成績が上がった
- なぜ、こんなに日本の学校は始業時間が早いのか?
- 学校の始業時間は絶対に遅らせるべき
日本の学校の始業時間は早すぎる
日本に限らず、世界中の学校の始業時間は早すぎると多くの睡眠学者は警鐘を鳴らしています。
それには理由があります。
例えば「学校の始業時間が午前8時で、自分の家から片道1時間かかる通学路を毎日通っている高校生」がいたとします。
ということは逆算すると最低午前7時には家から出なければ間に合いません。
さらに、朝起きてから「顔を洗ったり、朝ご飯を食べたり、学校に行く準備をしたり」しなければならないのでさらに30分前には起きなければなりません。ということは午前6時半には起きなければならないということです。
ここで「10代の午前6時半」と「大人の午前6時半」というのは全く違うということが分かっています。
10代の子供の体内時計のリズムというのは、大人の体内時計のリズムに比べて1~3時間遅れているということが実験データで明らかになっています。
つまり、高校生の午前6時半というのは大人にとっての午前4時半くらいの時間に起床しているということになるのです。
これは朝頭がぼーっとして当然ですよね。これでは何を授業で教えられようと、頭に内容が入ってこないので授業を受けている意味がありません。
学校という組織はこの「10代の睡眠」についてもっと詳しく調べて、それを始業時間に活かすべきなのです。
では、実際に始業時間を遅らせてみたら子供の学業の成績はどうなるのでしょうか?
実際に実践してみたアメリカの事例をもとに説明していきます。
始業時間を遅らせたら、成績が上がった
ここで、「アメリカのミネソタ州イーダイナ」という地域の学校が始業時間を遅らせてみて子供の学業成績について調査してみました。
どのくらい遅らせたのかというと「通常の始業時間より1時間5分」遅らせてみたそうです。
するとSATと言われる標準テストの成績が上がったのだと言います。
具体的にはSATのライティングとリーディングの点数が、トップクラスの平均点が605点だったのが平均点761点までアップしたのです。
ライティングとリーディングの点数だけでなく、数学の点数までも683点から739点まで上昇した言います。
なんと合計で202点も点数が上がったのです。これは長時間の睡眠が学業の成績を上げたという仮説が成り立っても不思議ではありません。
成績を上げた理由として挙げられるのは「子供のレム睡眠時間が増えたから」という理由です。
朝方になるにつれてレム睡眠の時間が多くなってくることが分かっています。
このレム睡眠というのは記憶の定着にはなくてはならない、とても重要な時間なのです。
始業時間を早めにしてしまうと、この大事なレム睡眠の時間を奪うことになります。そうすると記憶の定着がうまく機能しなくなって成績が下がった、と考えることができます。
また、単純に睡眠時間が減ることによって、寝不足で頭がぼーっとした状態で授業を受け、授業内容を理解できないことから成績が下がったとも考えられます。
とにかく、このアメリカのこの勇気ある実践により睡眠と学業の成績が関係していることが明らかになりました。
なぜ、こんなに始業時間が早いのか?
ではなぜ、こんなにも多くの学校が始業時間を早めに設定しているのでしょうか?
それはただ学校の教務主任が無知なだけです。
先ほども述べたように、大人の起床時間と10代の起床時間は1~3時間ほど遅れています。
教務主任というのは子供の睡眠の重要さを、完全に無視して(あるいは無知なだけ)時間割を組むわけです。
脳の発達を考えると大人は子供より「朝、目覚めすい」ということが分かっています。(高齢者の方は早起きの方が多いですよね)
大人たちはこの事実を知らずに、子供に当てはめようとするのです。
子供というのは、脳の発達が未熟なので十分な睡眠を必要とします。それにも関わらずに強制的にその睡眠を阻害するというのは、学校には大きな責任があると筆者は感じています。
学校の始業時間は絶対に遅らせるべき
たくさんのデータを調べてきて、筆者が思うことは「絶対に学校の始業時間は遅らせるべき」ということです。
寝不足によって、「うつ病、不安障害、統合失調症」などのリスクも高まりますし、アメリカの車の運転による事故率も上がったというデータも出ています。
十分な睡眠をとること、すなわち始業時間を1~2時間遅らせるだけでこのようなリスクを下げてくれるのです。
この事実の重要性をいち早く学校という団体が認知して、それを学校のスタイルに適用することが今の学校制度には必要だと考えています。
しかし、悲しいことに学生たちは今の学校制度に従うしかありません。
みなさんの一人一人が声を上げることによって、もしかしたら学校という制度に変化が起こるかもしれません。
何事も間違った風習に声を上げることは大事です。誰か声を上げなければ一生制度は変わることはありません。
感情的な内容が入ってしまいましたが、今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました
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