このような悩みにお答えします。
思春期の子どもが夜更かししちゃう原因ってなんだと思いますか?スマホ?ゲーム?テレビ?
確かに、スマホやゲームは最近になって急速に普及したデバイスなので、それを夜遅くまで使って夜更かししてしまうのは当然のことです。すぐに情報が手に入るし、面白いし。ついつい触ってしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかし、夜更かししてしまうのはスマホやゲームだけではないということが睡眠研究の実験で分かってきました。
その原因は思春期の子どもの『脳』にあります。
思春期のお子さんをお持ちの親御さん、そして今あなたが思春期真っ只中ならばこの記事を参考にしてください。
もくじ
1. 思春期の子どもが夜更かししてしまうのはなぜ?
と思春期の子どもを怒鳴りつけた経験はないでしょうか?
果たして、子どもはスマホやゲームの触り過ぎで夜更かししてしまうのでしょうか?それとも他に別の理由があるのでしょうか?
実に意外な真実なのですが、思春期の子どもが夜更かしするのは、ただ単にスマホを夜遅くまで触っているからではありません。
怠けているから夜更かししてしまうのではなく体内時計(概日リズム)が大人より進んでいるからなのです。
①体内時計が子どもを夜更かしさせる
あなたに16歳の子どもがいたとします。
16歳の子どもは体内時計が大人よりも進んでいるため、たとえ午後9~11時の夜の時間帯になっても睡眠圧(アデノシン)がこないため眠くならないことが分かったのです(睡眠圧とは眠気を誘発するホルモンのことです)。
10代の子どもが眠くなるのはさらに数時間後になります。
体内時計のせいで夜になってもなかなか眠くなりません。それは人間の身体のしくみであり、抗えないものです。
さらに、眠くならないから暇な時間が出来て、スマホを触る機会が増えます。スマホを触るということはブルーライトを浴びる量が増えるということにつながります。
思春期の子供が夜更かししてしまう原因は、この体内時計のずれとスマホのブルーライトの相乗効果であるということが考えれます。
②思春期の子どもは朝寝坊しちゃうのも仕方がない
体内時計が進みすぎることで、子どもは嫌でも夜更かししてしまうのです。
そして夜更かしすると当然、朝起きる時間も遅れることになります。これも体内時計が原因なのです。
この10代の身体のしくみを大人が理解していないと、子どもに「脳の発達異常や精神病など」のリスクを高めてしまう可能性があるのです。
簡単に言いますと、子どもを朝早くから強制的に起こすという行為は、冬眠中の動物を春が来る前に起こすのとほぼ等しいということです。
子どもは寝坊したくて寝坊しているわけではないのです。身体の体内時計に従うしかないのでどうしても朝起きることが困難になっているのですね。
以上のような理由が分かってくると、親が朝寝坊に対して腹を立てる行為は理不尽なことだったのかもしれませんね・・・。
3.思春期の子どもが夜更かししないための対策
では、思春期の子どもが夜更かししないための対策はないのでしょうか?
子どもの体内時計のずれを補正することは不可能に近いので、スマホやゲームの触り過ぎを防ぐ対策なら手を打つことができます。
①スマホを触る時間を決めておく
たとえば
- 夜の10時以降はスマホを触るのは禁止
- 一日3時間以上のスマホの利用は禁止
などが考えられます。
という場合は、きちんと家族全員で集まってルールを決めることがおススメです。子どもだけでなく、自分もスマホを触らないようにお手本を見せることも大事になります。
子どもは両親の行動から学んで成長していくものです。まずは自分からきちんとルールを守るように徹底しましょう。
②寝室にスマホを持ち込まない
寝室にはスマホを持ち込まないというルールを決めることもアリ。
これは刺激制限療法という療法であり、寝室は寝る場所以外に使わないようにすることで、いつもよりスッとすぐに入眠できるようになる画期的な方法です。
寝室に入ったら寝る以外のことをしないというルールを決めるだけで、家族全員の睡眠の質が向上しますので、朝早起きにも役に立つ素晴らしい方法だと思います。
4. 体内時計のずれは神様からのギフト
確かにその通りですね。大人と子どもで体内時計が同じだったら夜更かしも朝寝坊もする心配はありませんよね。
この答えについては今現在研究中の段階にあるので正確に理由は分かりませんが、社会進化論的な観点から一つだけ答えを紹介しておきます。
それは「子どもが親から独立する、という経験の手助けをするため」です。
私たち人間を生んだ神様は、大人と子どもの体内時計を意図的にずらすことで「親からの独立を促している」と考えられています。
親よりも数時間だけ遅くまで起きているという安全な方法で、独立する手段を用意してくれました。親から完全に独立するというわけではなく、子どもが完全な大人になる前に親の目から少し離れる経験を体験することができるのです。
5. 社会は子どもに拷問している
記事の最後に筆者の意見を述べて閉じたいと思います。
「社会は子どもに拷問している」
これを声を大にして言いたいです。
10代の子どもというのは言われるがまま、朝早くから学校という社会に毎日通わなければなりません。
これは子どもの体内時計を考えると拷問以外の何物でもありません。
また小さな子どもたくさんの睡眠時間を必要とします。
「寝る子は育つ!」と主張していながらも、学校の始業時間を早めて睡眠時間を削っている。この矛盾は一体なんなのでしょうか?
社会の矛盾を解決することは(ほぼ)不可能と分かってはいますが、この問題は心の底から解決してほしいと思っています。
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