この記事では,致死性家族性不眠症が心配!日本人に致死性家族性不眠症は存在するのか?について紹介しています.
このような悩みにお答えします。
世界中でごく稀に「致死性家族性不眠症」と言って,生きている間一生眠れずにそのまま死に至るという症状の人が存在します.
「わたしも最近眠れないから致死性家族性不眠症かも?」と心配になっている人に向けて記事を書きました.心配すぎてもっと眠れなくなる!という人はぜひ参考にしてください.
もくじ
1. 『致死性家族性不眠症』という恐ろしい病気
世界で初めて致死性家族性不眠症が発見された「マイケル・コーク」と呼ばれる人のお話から,その症状の恐ろしさをまずは解説します.
「人間は寝なければ死ぬ」ということが、シカゴ南部のニュー・レキシントンに住むマイケル・コークという人物の死によって証明されました。
これは不思議ですよね。
私たちは普通、夜になると睡魔が襲ってきて自然と眠りにつくことができます。
しかし、コークは眠気を感じているにも関わらず、目を閉じても眠ることができなかったのです。
コークの話は続きます。
この時点で、不眠が人間の「精神、認知力、運動機能」に大きな支障をきたしていることが分かることでしょう。
コークの話はピークを迎えます。
もうこれは危篤の状態と言っても過言ではありません。
みなさんもお察しの通り、さらに数か月後、マイケル・コークは死亡しました。
では、この不眠症はどういった種類の不眠症だったのでしょうか?
①死因は「致死性家族性不眠症」
「致死性家族性不眠症」と呼ばれると特殊な不眠症だったことがコークの死後解明されました。
この不眠症は遺伝性の難病であり、治療方法は今のところ存在しないと言われています。
この「致死性家族性不眠症」と診断された人たちはみな、10カ月に以内に死亡していることが報告されています。
これは睡眠医療の世界でも謎に包まれた不眠症なのです。しかし、この特殊な不眠症により「人間は眠らないと死ぬ」という衝撃的な事実が明らかになったのです。
致死性家族性不眠症の原因として、最近の研究で明らかになったことが1つだけあります。
②致死性家族性不眠症の原因は「プリオン蛋白」
致死性家族性不眠症の原因として分かったことが「プリオン蛋白」と呼ばれる遺伝子の異常だと言うことです。
この遺伝子の異常が突如起こることで、プリオン蛋白が悪性になり、その悪性になったプリオン蛋白がウイルスのように身体全体に広がります。
そしてこのプリオン蛋白が広がるとともに、脳の機能が日を追うごとに退化していくというのです。
コークが不眠症になったのは脳の部位である「視床」と呼ばれる、知覚を受ける場所の機能が低下したことが原因だと言われています。
視床は知覚を受け取る「門(ゲート)」の役割を果たしており、この視床に対して悪性のプリオン蛋白が攻撃したことにより知覚を常に感じるようになってしまったのです。
知覚を常に受け取るということは、常に脳が興奮状態になるため「不眠」になるという訳ですね。
2.日本人で致死性家族性不眠症の人は存在するの?
「致死性家族性不眠症」は遺伝で起きるものとされています。
幸いなことに、日本ではこういった不眠症の遺伝を持っている人はいないので、私たちが致死性家族性不眠症になることはありえません。
だからと言って、「夜遅くまで夜更かし、または徹夜をする」と言うように、眠れる環境にあるにも関わらず、眠らずに夜遅くまで起きておくことはなるべく避けるようにしましょう。
コークの死のところで説明したように、「一晩眠らないだけ」でも脳や体の機能の大きな負荷をかけることにつながってしまいます。
眠れるときはスマホやテレビは我慢して、なるべく長い時間睡眠をとるように心がけてください。
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